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ファイトクラブ

映画を観た。
なんとなく目についたパッケージを手に取り、そう、本当に軽い気持ちでそれを観た。
タイトルは『ファイトクラブ』
平和に寝惚けた目を覚ましてくれるとびきりにパンチの効いた贈り物。


観終わった後には、ひりついた頬の熱さと、牙を剥き出しに戦う狼の心が残っていた。




ネタバレは一切しないという事をここで約束しよう。
いや、ネタバレなんぞそんな生易しいもので吹き飛ぶほど、この映画から受け取ることが出来るものが軽いものだとは思わないのだけれど。

言いたいことは山ほどあれど、伝えたいことは唯一つ。
是非この映画を観てほしい、ということだけ。
それがすべてである。

◆◆◆

夢はあるだろうか。
かつてあった夢でもいい。
きっとそれには今は思い出せない初期衝動があったはずである。
憧れには相応の理由があるはずだ。
憧れた後、夢を追う者の多くには『あんな風になりたい』といった思いがついて回ることも少なくは無いはずだと、僕は思う。
それはやがて忘れるものであり、薄れていくのが常なのかもしれない。


例えばこの映画を観たときに感じたのはそういう初期の衝動。
自分を夢へと駆り立てる、最初の一歩を踏み出す時の感動に近いものがある様に思った。
あくまで個人的なかんそうではあるのだけれど。

かつて一度忘れてしまったその最初の衝動を思い出させてくれる映画。
気付いてしまったからには、もう忘れたくない衝動が、胸の内に芽生えてしまう。


何かしたくてたまらない。
憧れを抱いた時のような、目の前が開けたような感覚。
今あるのは。
燻ぶった弱い火種の中に横になって眠っているとこで急に、ガソリンをぶっ掛けられた様な感動である。

◆◆◆

感じるものは人それぞれだろうが、僕はこんなことを思った。
貴方は『ファイトクラブ』を観て何を感じるだろうか


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