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大家さんは思春期!

『女子中学生にお世話してもらう』


――それってどうよ?
こう、世間一般的な常識というか、踏み越えてはならぬ一線みたいなものが、頭に浮かび「やめておけ」との声がする。
しかしそれも一瞬の事。
本能に抗うことなどできるはずもなく、手に取った漫画のタイトルは『大家さんは思春期!』。






昨今、もはや珍しいものでもなくなった、萌え四コマ系漫画の、派生作品である。

個人的な意見ではあるが。
基本的に、萌え四コマ系の作品は、登場人物に感情移入し、喜怒哀楽を共にするものではないと思っている。
あれは愛でるものなのだ。
道脇にひっそりと咲いているタンポポを見る様に。
窓の外、木の枝で羽を休める小鳥を眺める様に。


物語の外側から、彼女ら、時として彼らの日常を覗き見て、「あぁ~」などと、癒されるものだと思う。
簡単にいえば、すでに完成された箱庭。
主人公と共に開拓していくのではない。
誰かが造り、その誰かが遊ぶための庭。それを眺め、愛でることこそが萌え四コマの正しい見方だと考える。



つまるところ。
大層な戦場は必要なく。
ささやかな日常さえあればいいのです。




近頃、気の休まる時の無い職場や学校といった戦場を駆け、疲弊しきっているあなたにこそ。
「大家さんは思春期!」の中に存在する、優しい暖かさを感じてほしい。

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